牛の飼料
 
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   さて、ここでは、牛の飼料について基本的な解説をいたします。

 牛の飼料(酪農、肉用牛ともに)は、大きくは粗飼料と濃厚飼料に区分されます。
 図中のコメントにもあるように粗飼料とは、「牛本来の食べ物であり、人間でいうとゴハンに当たります。」
 一方、濃厚飼料とは、「穀物を主たる原料にしたエサのことで、人間でいうとオカズに当たります。」

 牛には、ご存知のように胃袋が4つあり、その第一胃と呼ばれる大きな胃にはたくさんの微生物がいるために、繊維質を食べても消化できるという訳です。
 粗飼料は、特に若いうちに牛を健康に育てるために重要な役割を果たします。粗飼料は、自家生産できるので、自家生産したものを「自給飼料」と言っています。(購入飼料に対する呼び方です。)

 粗飼料を、給与方法によって区分すると、
  刈り取ったそのままを給与する「青草」
  発酵させる「サイレージ」
  乾燥させる「乾草」に区分されます。

 ここで注目していただきたいのは、粗飼料の代表でもある「稲ワラ」です。
 
 国産の稲ワラについて、その需給状況を見てみましょう。

 国内で生産される稲ワラは、約870万トンです。このうち「飼料用」として利用されているのは、約1割にしか及びません。その他は、水田へすき込まれたり、焼却されたり、堆肥用として利用されています。
 一方、輸入される稲わらは、18万トンです。外国からの稲ワラ輸入量は、諸事情により年により変動します。
 また、海外での疾病の発生等により、輸入先が変わったりと安定しません。平成18年3月現在でも中国からの輸入は、口蹄疫という牛に関係する疾病の関係でストップされたままです。
 そこで、本文にもあるように「飼料自給率の向上及び口蹄疫問題等も考慮すれば、輸入稲わらから国産稲わらへの転換を図ることが重要」ということになります。

 やはり国産が安心ですよね。
 
 さて、三重県産の稲ワラ生産状況を見てみましょう。
 
 大雑把な計算では、年間の三重県の肉牛が食べるワラの量は、約2万トンになります。
 一方、水田から生産される稲ワラ量は、13万トンとなります。

 これは、計算上の話であって、その年の気候、(雨の量や雨の降る時期)、刈り取り時期で収穫量は大きく変化します。県内では、正直なところ、全国での数値ほど、稲ワラを収集していないのが現状です。

 その理由は、
 ・稲刈り時期が、秋雨、台風という時期と重なる。
 ・コンバインで刈り取られるため、短く細断されてしまい回収しにくい。
 ・電話1本で購入できる。
 ・高齢化が進み、労力的に困難、または、収集には大型機械が必要(コスト)といった点が上げられます。

 しかし、現状のような利用状況でよいのでしょうか。
 
 先に見たように三重県の中には、有効な資源としての稲わらが埋もれています。そして、牛が粗飼料食べるということを介して、図のように資源の循環を可能にしています。

 私たち畜産関係者の中では、「粗飼料の生産」とか「自給稲ワラ等を利用する」ことで、
 ・資源の循環ができる。
 ・環境にやさしい畜産が実践できる。
といった、大きな視点で畜産に臨むことが大切だと考えています。

 水田から得られた稲わらを牛が食べ、牛から出る牛ふんは堆肥化され、水田に散布されます。水田ではこれを肥料として米ができます。米を採った後の稲わらは、再度、牛のエサとなり、「牛肉」に姿が変わります。

 図のような循環が畜産の基本、農業の基本だと考えています。
北勢地域 伊賀地域 中南勢地域 東紀州地域

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