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肥育農家の仕事

 繁殖農家が育てた子牛を買ってきて、食用にするため、牛を大きくし、肉をつけさせます。このことを肥育(ひいく)と言います。

子牛の導入

 子牛は全国のあちらこちらの県で育てられています。地域によって飼われている子牛には特色があるので、肥育農家は自分の育て方にあった子牛を買ってきます。月齢や産地、性別にもよりますが、その時の市場での体重は、280kg〜300kgくらいです。
 買った子牛は、トラックで運ばれてきます。遠くから運ばれてくる子牛は、輸送中の疲れもあって、なんと10kg以上も痩せてしまうことがあります。肥育農家は、自分の牧場に着いた子牛をゆっくり休ませ、減った体重を元に戻すことが、初めの仕事になります。

肥育の方法について

 子牛に肉をつけて食用にするために大きくすることを肥育といいますが、肥育の方法には大きく分けて次の方法のふたつになります。
 ひとつは、できるだけ短期間でたくさんの肉をつける方法と、もうひとつは時間をかけてゆっくりと育て、上等の肉をつくる方法です。
 三重県では、松阪牛や伊賀牛などは後者の飼育方法ということになります。
 どちらの飼い方が良いか悪いかという問題ではなく、農家がどんな肉をつくりたいかという選択をする訳です。

エサの与え方

 肥育の方法が、大きく分けてふたつになることから、エサの与え方もふたつ以上になります。ここでは、比較的一般的なエサの与え方を紹介します。
 市場で買ってきた子牛を肥育農家では、約20ヶ月間育てます。この20ヵ月間を前期(約7ヶ月間)、中期(約7ヶ月間)、後期(約6ヶ月間)に分類します。
 前期では、内臓をしっかりしたものにする、骨格を作り上げる、筋肉をつけていくといった目的のために、牧草とか稲わらといった粗飼料を中心にした飼料を与えます。穀物類が原料の濃厚飼料も与えますが、この時期に与える濃厚飼料は、中期・後期に与えるものよりタンパク質がやや低めのエサです。
 中期では、筋肉の中に脂肪をためていく時期です。大麦などを加えていきます。
 後期は、霜降り状に脂肪をつけるための時期です。大麦の占める割合も多くなります。粗飼料として稲わらは与えますが、牧草類は与えません。

牛の飼育にはこんなこともします

削蹄(さくてい)

 牛の爪を切ることです。牛の蹄は月に1センチ程伸びます。広々とした放牧地を歩いている牛は、摩擦により自然にちょうどよい長さの爪になりますが、牛舎で飼われている牛は、どうしても爪が伸びてしまいます。これをそのまま放っておくと、バランスが悪くなり、特定の脚で体重を支えるために姿勢が悪くなり、ひどくなると体型にまで影響します。
 そんなことがないように、蹄を切る作業が必要です。年に2回くらい切ることが必要です。

肥育牛の太らせ方

 肥育農家は子牛に肉をつけて大きくすることが仕事だといいましたが、ただ太らせればいいだけではありません。
 実際に「肉」となるのは、筋肉にあたる部分です。皮下脂肪のような余分なぜい肉をつけている牛は、市場価値が低い訳です。このためには、国や県の試験研究機関で、どういった牛にどんな飼料給与をすればよいのかを研究したり、個人でもいろいろと試行錯誤を繰り返しているのです。

牛のと殺と検査、流通
 出荷された牛は、と殺される前に、病気にかかっていないかといった検査をされ、と殺後にも検査がされます。こういった検査に合格した枝肉は、「合格印」をもらいますが、さらに細菌等の汚染を避けるため、と場で2日間冷却保存されます。
 その後、枝肉は肉質の良し悪しを決められた規格(枝肉の量、肉の色、脂肪の入り具合、脂肪の色など)によって専門家の判定を受け、格付けされます。 卸売業者はこの枝肉を買い取り、枝肉をさらに分割して、さらに余分な脂肪などを除去・整形して部分肉として、精肉店等に販売します。
 精肉店等では、消費者が調理しやすいよう料理別にカットして店頭で販売します。