稲わらの収集について

稲わらの大量収集方法

 稲わらは、肉牛肥育経営には不可欠な餌です。現在飼料として用いられている稲わらの多くは、輸入によるものです。稲わらは、稲の病害虫の国内浸入を防ぐため一般的に禁輸入品とされており、飼料として稲わらを輸入できた国は、韓国、北朝鮮、台湾くらいです。

 しかし平成9年3月に台湾で発生した口蹄疫のため台湾からの稲わらの輸入はストップしています。また北朝鮮では、水害による食糧不足で国内情勢が逼迫しています。このような情勢により、稲わら相場は全体的に上がることが予想されます。また市場の品薄状態から中国や東南アジアなどの口蹄疫等の伝染病の蔓延している国の稲わらが、北朝鮮経由で輪入されることも大いに考えられます。

 このように、危険で値段の高い稲わらを購入するより、安全で安い国内の稲わらを収集した方が賢明だといえます。

 ここで紹介するのは、伊勢普及センター管内で和牛経営(肥育150頭)を行っている農家の稲わら収集法の話です。

作業体系

・作業人員3名

・作業期間9月上旬〜10月上旬(15日間)

・使用ロールベーラ 90cm

・収集量 80ロール/日(1ロールの重さ80kg〜100kg)

・10a当たりの収集量(2ロール〜4ロール)

・総収集面積 30ha(2ha/日)

・1シーズンの総収集量1200ロール(96,000kg)

・稲わら代(耕種農家へ)2000円/10a

・作業機械は、トラクター(30ps)×2台、テッダレーキ、ロールベーラ、フロントローダ、
 トラック(3t、4t)×2

このような稲わら収集を行うためのポイント
1 排水良好田で1区画の面積が大きい圃場で集める。
2 稲わらの収集圃場をとりまとめてもらうのにその地域の顔のきく人にお願いする。
または、水稲の経営受託をしている人と交渉する。
3 稲わらは、堆肥交換するとなお良い。
4 トラクター等機械は中古のものを安く買う。
(年中使うわけではないので安いものでよい。)
5 天候の良い年は多めに収集する。
6 コンバインの稲わらのカットの長さは20cm位がロスが少なく良い。

 しかし、毎年良質の稲わらを収集できるのでしょうか、収集時期に天候が悪く雨を受けてしまった稲わらは品質が落ちてしまっているのではないでしょうか。

 そこで伊勢農業改良普及センターでは、天候の悪い年に収穫された稲わらと天候の良い年に収集された稲わらの成分分析を行いました。稲わらは、南島町の肉牛農家が収集した平成7年のもの(良い天候)平成8年のもの(天候の悪い年)をサンプルとして三重県農業技術センター畜産部で分析を行いました。

 その結果、下の表の様な分析結果となりました。

 
区    分 水分 粗蛋白質 粗脂肪 粗繊維 可溶性無窒素物 粗灰分 TDN DCP
天気の良い年
(平成7年度産)
12.9 4.88 1.10 29.59 39.74 11.79 38.72 1.27
    5.60 1.26 33.97 45.63 13.54 44.45 1.46
天気の悪い年
(平成8年度産)
11.3 3.89 0.87 32.29 39.60 12.06 39.70 1.01
    4.38 0.98 36.40 44.64 13.60 44.45 1.14
日本飼料成分表より 12.2 4.70 1.80 28.40 37.60 15.30 37.6 1.20
    5.35 2.05 32.45 42.82 17.40 42.8 1.37
 
(表中、下段は乾物中の値)
稲わら収集は天候の良い日に数回反転したのち90cmのロールベーラで梱包。
 稲わらの外観は、平成8年産のものは雨に当たり少し土がついている、またやや灰色がかっていました。
 成分分析結果については、粗飼料として見るとすべての数値について大差はなく殆ど問題ないと考えられます。
稲わら収集のポイント
・天候の良い日に収集する。

・反転する。

・ロールベーラーはタイトベーラーに比べ梱包後でも乾燥するのでカヒが発生しにくい。

・水分の高いうちは収集しない。
 (圃場のダメージより飼料庫でのダメージの方がはるかに大きい。)
 掲載しました「稲わらの収集について」は、伊勢農業改良普及センター畜産情報を参照させていただきました。