テーマ「畜産に込める思い」
平成24年度畜産経営技術高度化促進事業
畜産経営技術優良事例発表会

3名が熱い思いを発表
 三重県畜産協会では、平成24年2月29日水曜日、県の委託事業「畜産経営技術高度化促進事業」の一環として、松阪市橋西公民館にて畜産経営技術優良事例発表会を開催しました。
 今回のテーマは「畜産に込める思い」。
 畜種や担当する仕事内容、あるいはこれまでの歩みも様々な3人の方に発表していただきました。
 日は行政関係者等を初めとして70名を超える方々がこの会場に足を運んでいただき盛会裏に開催することができました。
【肉用牛事例】『牛と共に』津市美杉町、片野真一郎さん
 農業関連の研究員として歩む道もあったが、農業そのものに触れたいという思いが強く農業の道を選択しました。縁あって三重県で農業を始めましたが、現場では素人で、近所のおばちゃんたちからクワの使いを教わりながらのスタートでした。「牛」にも興味があったので、繁殖用に1頭を買い入れ試行錯誤を繰り返した結果、共励会で賞もいただき、励みになりました。
過疎化の進む地区ですが、今後も牛を中心にした農業に励み、現在の住居(廃校跡)を使い、民宿を始められたらと夢見ています。
【養豚経営】『共存共栄 〜地元のみんなと共に〜 』いなべ市北勢町、松葉崇道さん
 大学卒業後、不動産関連会社で働いたものの、先輩の皆さんが時間に追われるようすを見ていると自分が求める仕事のやり方ではないなと感じるようになりました。
 その頃、実家では弟が就農し養豚生産現場で働いていました。直販を手掛けた頃であり、その役割を担うことになりました。
 商品の提供には、消費者から要望を感じ取りながら、見た目にも美しい商品の製造に努めています。販売は、地元のファーマーズマーケットへの出品や宅配による販売が主流ですが、いくつかのレストランでは、自社の豚肉を使ってもらっています。
 仕事を通じて地域の農業者との交流にも心血を注いでいます。地域を盛り上げるためのイベントには率先して参加することで、幅広い仲間の輪が育ちつつあるように感じています。
肉用鶏経営】『ブロイラー生産農場の悲鳴』松阪市嬉野町、辻巻陽三さん
 孵卵関係企業で仕事をしていましたが、生産現場での仕事に興味を抱き、自社農場を経営するに至りました。
 県北勢部に農場がありましたが、環境保全の面で移転することになりました。縁あって移転した紀宝町の農場では、平成23年に高病原性鳥インフルエンザが発生し、いろいろな教訓を得ました。経営存続のためには、農場を分散させ、疾病等の危機から回避を図ることの重要性を痛感しました。
 ブロイラー業界は、インテグレーションが進んでおり、当社も例外ではありません。直販に臨むことも視野に入れていますが、現段階では障害がいろいろとあります。ブロイラー業界では、育種改良が進んでおり、家畜生産性は高度化されていますが、所得の向上につながっていないのが実情です。
 これまで一人の生産者として業界等に対し要望してきましたが、求められることは集団からの声、要望であり、このために採卵鶏生産者が組織する三重県養鶏協会に肉用鶏生産者として仲間と共に加入しました。
 大きな一歩を踏み出すことは難しそうですが、着実に一歩ずつの活動をしていきたいと思っています。
質疑応答のようす