地域畜産ふれあい体験交流推進事業の
地域交流牧場協議会を開催しました

本事業の目的

 畜産を取り巻く社会情勢は、O157やBSE、更には鳥インフルエンザの発生などにより、消費者が畜産生産物の安全性についての不安を持ったり、食肉の偽装問題による不信感が生じるなど、畜産物の消費推進については、これらのマイナス要因により厳しい状況にあります。

 これらの出来事をきっかけに、消費者サイドでは食に対する安全性への関心が更に高まってきていますが、畜産生産物を始めとした食品の安全性に関する正しい知識と理解を深める機会が十分であるとは言い難いのが実情です。

 このため本事業により消費者の皆さん等を畜産の現場に誘い、現場でのみ可能な生の体験や、畜産物を使った調理実習等を通じて、生産と消費との距離を縮め、共有する知識の上に立った双方向からの理解を深めることにより、畜産物の消費拡大を進め、畜産の振興につなげることを目的とします。



会議の内容等

 平成19年7月26日(木曜日)、津市栄町の(財)三重地方自治労働文化センターで開催したこの協議会へは、次の関係機関の出席がありました。


 三重県農畜産室畜産振興グループ、三重県中央農業改良普及センター、
 三重県酪農業協同組合連合会、JA全農みえ四日市食肉センター、
 三重県養鶏協会、松阪市立天白小学校、松阪市立天白小学校PTA、
 三重県消費者団体連絡協議会、三重県食生活改善推進連絡協議会、
 株式会社地主共和商会
 

 協議に先立ち、畜産協会石田専務からは「本事業の実施は3年目であり、前年、前々年度共に、松阪市立天白小学校6年生の参加により同校が行う食育教育の一環として相乗的に効果の高い事業実施ができた。本年度の実施についても、内容のあるものとしたいので協議、検討、実施に当たっての関係者の協力をお願いしたい。」という挨拶をしました。

 県畜産振興グループ岡本技師からは、「前年度の本事業実施結果については、助成元の中央畜産会からも高い評価をいただき、特に版画絵本「松阪牛物語」については、食育の効果が十分に表れた秀作であり、特別に本年度の増刷を認められたことも含め、本県の事業効果は高いと思われる。本年度は事業最終年度としてさらに効果ある事業としていきたい。」と挨拶がありました。



協議内容

 この日の協議では、本事業の推進にあたり事務局の畜産協会から事業概要について説明し、本年度の事業実施計画について検討しました。

 主な事業概要は次のとおりです。

地域交流牧場協議会の設置と事業実施についての協議検討

 この事業の趣旨、計画の説明とその内容について協議検討等を行う会議を開催します。
 
畜産ふれあい体験交流会の開催

 地域の畜産ふれあい体験交流施設等の協力を得て、消費者の皆さん、児童・生徒等を対象に畜産理解醸成のための現地交流研修会を開催します。
 
畜産物加工調理体験教室の開催

 安全で安心な国産畜産物の消費拡大と国内自給率向上を図るため、国産畜産物を使った加工調理体験教室を開催し、わが国畜産物生産に対する理解促進を図ります。
 
ふれあい体験交流についての情報収集・発信

 当協会のホームページや畜産情報ネットワーク(LIN)を通じて、地域の交流牧場等の施設、ふれあい動物の情報、利用方法、地域イベント等や本事業の実施状況を、広報・管理します。



検討の結果

 上記の事業概要に従い、本年度は次のとおり事業を実施することになりました。
 
1 地域交流牧場協議会の設置と開催
 畜産協会に地域交流牧場協議会を設置し、この事業の趣旨、計画の説明とその内容について協議検討等を行ったり、県内での畜産関係の食育活動について検討する会議を開催します。

 前年度の事業実施内容や他県の事業実施状況等を参考に、3年目の事業計画について、協議・検討を行います。

 なお、本年度は助成事業最終年度に当たることから、助成終了後の運営の一助とするため、昨年度のアンケートに引き続き関係農家に見学等受け入れについて意向調査する予定です。

 加えて、平成18年度に本事業で作成した版画絵本「松阪牛物語」を増刷し、中央畜産会の協力も得ながら食育に関心のある者等に提供し、食育の推進を図ります。
 
2 地域畜産体験交流研修会
 過去2年の開催結果を検討しつつ、地域の畜産ふれあい体験交流施設等の協力を得て、松阪市立天白小学校6年生を対象に学校教育等における食育学習カリキュラムの一環として畜産理解醸成のための現地交流研修会を開催します。

 前年度同様に、個人農家の協力も依頼し、家畜や家畜の飼育等について身近に体験をしてもらい、命について考える場を提供します。

 なお、本年度、この事業の助成元である中央畜産会では、版画絵本「松阪牛物語」をテーマに松阪市立天白小学校の食育学習の取り組みについて、ビデオを制作し、食育推進の一助とする計画です。
 
3 畜産加工調理体験教室
 地域の生産者、消費者、加工流通販売業者、教育関係者、栄養調理関係者等の協力の下に、消費者に対して国産畜産物の加工調理体験教室を開催します。

 前年同様に畜産物の流通加工工程も併せて研修内容に盛り込み、畜産物の安全な提供体制を理解してもらいながら、畜産物の部位等に応じた調理について研修する計画です。

 2回開催のうち、1回は地域畜産体験交流研修会に参加する小学生児童等を対象として開催し、学校教育現場での食育の一環として学習します。残る1回については、一般消費者等を対象として公募し開催します。
 
4 畜産ふれあい情報の提供
 中央畜産会が構築するふれあい活動に係るポータルサイト並びに当協会のホームページに、地域の交流牧場等の施設、ふれあい動物の情報、利用方法、地域イベント等の情報や本事業の実施状況を提供し、広報・管理します。

 前年までに整備したふれあい牧場情報を基にその内容の確認をするとともに、新規のふれあい牧場情報も追加してこの施設に係る幅広い情報を収集し、インターネットにより情報発信します。

 また、県内の畜産イベント情報等を収集し、ホームページで情報提供します。

 これらの情報発信とあわせて、本事業の実施状況等を画像または映像として記録・集積し、インターネットにより情報提供します。
 
7月26日(木曜日)に開催した地域交流牧場協議会の様子