鈴鹿市の渡辺牧場(酪農)を訪問

・・・平成22年3月3日(木曜日)鈴鹿市追分町・・・

 この催しは、講習会・研修会として開催したものです。
 参加いただいたのは、三重中央農協女性部の皆さんです。
 牧場では、乳牛の飼育状況、給与飼料、サイレージ、搾乳施設、牛房等について、渡辺友裕さんと家族の皆さんにより説明をいただきました。
 搾乳機も実際に動かしてもらい、吸引力を体感してもらいました。
 また、渡辺牧場では、自給飼料を生産し、これをサイレージに加工して牛に給与しているので、できあがったサーレージの香りも嗅いでいただきました。
 午後からは会場を移し、三重県酪連河野参事から、酪農の豆知識として、「牛乳ができるまで」「牛乳生産」「牛乳から生産されるもの」等について、また、統計資料等により三重県の酪農情勢について説明を受けました。
 また、酪農生産者として参加いただいた方と農協女性部関係者が対面する形で座席につき、意見交換を行いました。(その内容は下記へ)
 
★ 意見や質問として出された内容 ★
飼料にはどんな工夫がされているのか、牛乳の質に影響があるのか?
⇒かつては、NonGMO飼料を使っていたが、コストが高くなってきたこともあり、一般の飼料に変更したが、牛の健康のために適切な飼料を給与している。エネルギー不足でも過剰でもダメ、自給飼料の栽培により自給率のアップに努めている。飼料は養分を計算されたものである。
●牛乳の価格には幅があるように思うがなぜか
⇒一般的に牛乳と呼ばれているものの専門的に区分すると「牛乳」ではないものもあり、要注意。しっかりと内容を確認してほしい。価格の差は原料の差でもある。
●酪農経営に休日はあるのか、家族協定を結んでいるのか。
酪農家の皆さんそれぞれから回答をいただいた。それらによると次のとおり。
⇒家族協定は、普及センターの勧めで締結した。しかし、実態とは乖離したようすもある。休日は、家族交代で取っている。
⇒ヘルパー制度があるので、これを利用して休日とする。ただし、費用がかかるので、容易にというわけにはいかない。
⇒ほとんど休みもなかったが、昨年、長年のご褒美の意味も込めてもらい海外旅行に出かけた。
⇒家族の中で「早い者勝ち」風に休暇を確保しているが、公的な用事を優先。
⇒ヘルパー制度もほとんど利用せず、休日も少ない。昼休みを長くとって自分の時間にしている。
●教育ファームについて(渡辺)
 子供たちへの食農教育と位置付け、教育ファームの認定を受ける以前から地域内の小学生を農場に招いている。教育ファームも認定が難しくなっているが、研修にも出かけ、どのように説明し、どのように酪農を理解してもらえばよいのかを学んでいる。酪農の現場は、「命」を感じ取れる農業であり、食育に適した環境であると思っている。
●農山漁村のつどいの場で、天白小学校教諭による食育についての報告を聞いたが、内容の濃い、素晴らしい教育がされていることに感心した。
●牛に触れる、農場へ出向くことは、五感を使って体験できる貴重な時間である。
●牛はどれくらい飼育されるのか、その後はどうなるのか

⇒平均的な話になるが、1年1産を基本として、3産から4産がひとつの区切りになる。産業動物なので、淘汰されることになるが、肉としての利用もあり、無駄にはなっていない。