家畜排せつ物処理・利用方法と環境保全対策

 牛舎内には直下型の扇風機を備え、牛房内の敷料(オガコ)を乾燥させ、水分調整を行っています。糞尿は、牛舎からショベルローダで搬出し、ブロアー付の発酵槽に移して6ヶ月間(月2回ショベルローダで切り返しを行う)堆積発酵させて堆肥舎に移し出荷します。袋詰販売用には、ふるい機で塊やごみを取り除いたあと15kgづつ袋詰し、家庭菜園等をターゲットにした直売とJAを通した販売を行っています。扱い易いため利用用途が広がったと好評を得ています。

堆肥舎堆肥の処理・利活用

 部会発足当初は自給粗飼料の生産を行っており、堆肥を未熟な状態で飼料畑に投入していました。昭和53〜54年の規模拡大により糞尿の量も増えましたが、堆肥化によって稲わらと交換で田への散布を始めたところ、稲の生育や収量も良好で牛糞の投入について難色を示していた稲作農家の理解も得られるようになりました。

 平成元年には、JAの協力により隣接する町の公害特別事業により圃場へ土壌改良資材として利用されるようになり需要が拡大しました。

 現在では、一部を部会員個々の水田に還元する他、有機米生産組織や野菜生産営農組合にも堆肥を供給しています。なお、野菜生産営農組合からは稲わらの提供も受けており、耕種農家との結び付きもより強固なものとなってきました。

 良い物を作り、利用者の信用を繋ぎ留めておくため定期的に水分測定を行って均一な品質の保持に努めています。また、堆肥成分について明確な分析値を表示できるように専門の機関に成分分析を依頼しているところです。 なお、醗酵を促進し、臭気を抑えるため、飼料に醗酵菌を添加しています。

環境にも配慮しています課 題

 部会全体の飼養頭数は年々増加を続けています。施設の機械化により飼養規模は更に拡大することが予想されるので、排出される糞尿量の増加とその処理を懸念するところです。現在部会では、JA又は町が主体となる堆肥センターの設立を要望しています。家庭や地域内の公共施設からでる生ごみと一体となった処理により地域における畜産の位置付けが明確なものになると考えています。

 敷料を現在使用しているオガコから、地域内で得られるもみがらに変え、オガコ不足の解消と地域内でのリサイクルを考えた環境にやさしい農業にも取り組んで行きたいと考えています。

美化運動

 牛舎や堆肥舎の周辺には、アジサイやカンナ、芝桜など四季の花を植え、大規模な施設・機械が並ぶ畜舎周辺を華やかで柔らかい印象を与えるように気を配っています。畜舎及び堆肥舎周辺の害虫駆除にも取り組み周辺住民への配慮を怠らないよう対処しています。