将来のことを少しだけ・・・

後継者について

 後継者としては3人のお子様がみえますが、現在は就学中で、まだ将来就農するかどうかについては、話し合っていないところです。しかし、経営に取り組む親たちのはつらつとした姿勢に、なんの関心も持たないはずはありません。山下さんとしては、就農を強要する気はありませんが、自分の歩んできた足跡を息子さんたちが認めてくれるだろうということに自信をもっています。

 また、今、自分の鶏舎を見に来てくれたり、自分の話を聞いてくれる小中学生らに期待することといえば、「農業は自分らしく楽しく生きられる仕事である。」ということをわかってもらい、この中から一人でもいいから、農業に興味をもつ人が出てくればという思いでいっぱいなのです。このためにも自分の仕事をいろいろな場所、形で、農業の大切さ、楽しさを伝えていきたいという毎日です。

今後、目指したい経営の方向
  〜きめ細かな心づかいを伝えたい〜

 消費者の皆さんから求められる生産物の安全性や環境保全対策、これらから生じる安心感・信頼といったものについて、具体的に実行するには経費が発生します。これらを大規模養鶏家と同じ土俵の上で競争していくには、農家養鶏としてどういった方策があるかを常に考えていかなければなりません。

 このためには、農家養鶏だからこそできるきめ細かい気づかいによって、鶏にとっても人間にとっても気持ちのいい環境づくりや、高品質な農産物の提供を基本として、地域との交流を進めていくことの重要性を感じています。

たまご山下鶏園のオリジナリティー

 県が進める三重イーコードエス事業、地産地消事業、HACCP事業等に基づいて、山下鶏園として独自の内容をどのように作り上げていくかも、常に心にとめている課題です。現在、24時間オープンの自販機を設置し、好評を得ているようですが、さらにお客様からの声を受け止め、これに応えていくためには、お客様と楽しい会話をしながら卵を販売していきたいと考えています。

 地域との交流もさらに深めたいと考えています。主たる生産物(販売物)は鶏卵ですが、堆肥利用といった有機的な結びつきも強化していきたいと考えています。視察、講演等のソフト面からも地域の子供達を中心としてその輪を広げていきたいと意欲を持ち、あらゆる機会を通じて農業の大切さ、楽しさを伝えていきたいと考えています。