地域の皆さんから支持される豚肉生産を目指します

 志摩市阿児町の河井金昭さん(昭和41年生まれ)を紹介します。
 
河井さん

大手スーパー業界からの転身

 養豚に就農する前は、ジャスコで生鮮食料品の担当として働いていました。当時の飼養規模は100頭強で、両親が取り組んでいましたが、施設の老朽化も進み始めたので、将来を見越して更新していくのかどうかという決断の時期でした。就農したのは、私が34歳の時でした。
 サラリーマン生活を辞めて、自立して事業をやっていくことには興味もありましたが、正直なところ「養豚かぁ・・・」という気持ちもありました。すでに結婚もしていましたので、妻の反応も気にかかったところでした。その妻も子供に手がかからなくなってきたので、この春から養豚の手伝いもしてくれています。

 

養豚を始めてみて感じたこと

 就農した当時は、養豚のことについては本当に素人で、見ること聞くことすべてが新しいことばかりでした。あちらこちらの農場を見学させてもらったり、自分で試行錯誤してみたりの日々が続きました。
 養豚とか農業なんて、やるだけのことをやっても、結果に大きな差などはないと思っていましたが、それは大きな間違いで、きちんと取り組めば大きな成果が返って来るし、手を抜けば、こちらも思っていたより大きなしっぺ返しがくることがわかりました。就農する前に想像していた以上のギャップがありました。

 

現在、規模拡大に向けて豚舎を改築中です

 現在は母豚で150頭程度の飼養規模ですが、200頭〜250頭規模を目指して、施設の改築をしています。
 夢は、地元の皆さんに支持されて「おいしい」と喜んでもらえる豚肉を生産して、全量を独自ブランドとして販売していくことです。現在も「パールポーク」という名前で、自社の精肉店「肉よし」では生肉として販売したり、伊勢志摩の観光地のレストランで地元の食材として使ってもらったりしていますが、今後は、さらに一人でも多くの地元の皆さんに普段の食材として利用してもらいたいと思っています。
 皆さんに安全で安心、そして何よりもおいしい豚肉を提供するために、飼料に工夫をしたり、外部から疾病などを持ち込まないように、種豚を自家生産するなどして、努力しています。

 

大きな夢は資源循環型の農業

 豚肉の生産・販売に付け加えて、「自然循環型農業にも取り組めれば」と夢はさらに大きく膨らんでいます。養豚業から出た堆肥は、現在、周辺の耕種農家の皆さんに利用してもらっていますが、ここから生産された農産物も肉と一緒に販売したり、食品残さの利用をしたりといったことにも取り組めればと思っています。

 

(平成17年8月取材)

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