野球かな?酪農かな?と迷った。

  三重県内では有数の酪農地帯大内山村で 酪農を営む中桐大樹さん(昭和44年生まれ)を紹介します。 (「大樹」と書いて「おおき」さんと読みます。)
 

中桐さんさわやかな風が吹き抜ける牛舎です

 中桐さんの牛舎は、学問の神様として有名な頭之宮(こうべのみや)神社のやや上流に位置しています。訪れた日は梅雨の合間の暑い1日でしたが、川に沿って吹く風がさわやかで牛たちも快適そうでした。冬は風が強くて人間にとっては寒さがこたえるようですが、牛にとってはそれほどでもないようです。
 牛舎は昭和50年代の中頃に建てられたものと、平成10年に新たに建築した牛舎が並んでいます。新しい牛舎は、フリーバーン方式です。

大樹さんが酪農に就かれたのは?

 父が酪農をやっていたので、「自然に」と言えば自然に就農しました。子供の頃から牛を見て育っているので当然のようにとでも言うのでしょうか。でも、中学、高校とやっていた野球にも魅力を感じていたことも事実で、「この先、野球かな?酪農かな?」って考えましたが、結局、酪農を選びました。平成6年のことでした。 
牛舎 就農当時は父が築いてきた30頭規模経営でしたが、平成10年に新しく牛舎を建設して成牛で120頭規模にしました。

最近の新しい取り組みは?

 三重県では、従来あまり盛んではありませんでしたが、最近、私たち酪農家が力を入れているのは、子牛の生産です。肥育もと牛(肉用に飼育される子牛)として松阪市場に出荷して高い評価を得られるようになってきました。(ET技術により肉用子牛を生産しています。)私一人が特に力を入れている訳ではなく、大内山村全体が力を入れて取り組んでいこうということで、市場でセリにかける際には、牛に「大内山産」であることを明示したタスキをかけたりしてアピールしています。子牛の成績はJA経済連が開催した子牛共励会で上位入賞したことでも証明されています。
 酪農経営からみれば、子牛は「副産物」になるわけですが、乳質の維持という本来の目標と共に今後も経営の安定発展のためにも大切にしたいと考えています。
 県が推進するホールクロップサイレージ利用にも、積極的に取り組んでいます。栽培、収穫等の作業そのものはコントラクターに任せてあって、「利用だけ」なのですが、良質のものが出来上がるので、肥育もと牛用に給与して、好成績を出しています。

牛舎日々の生活はどうですか

 家畜の世話など、基本的には家族3人でやっていますので、忙しいですね。
 父、母には休みを取ってもらうようにしていますが、私自身は年中無休状態です。時間が取れれば子供(3歳、1歳)と遊ぶようにしています。
 最近TVの取材も受けました。村の観光の目玉でもある「牛乳風呂」と共に「酪農家」と言うことでの取材でした。

その反響は・・・

 愛知県の酪農仲間からも「見たよう〜」って。牛乳風呂というと全国的にも珍しい施設なので、みなさんにもぜひ来て欲しいです。ヨロシク。

(H13年7月取材)

牛乳やふれあい牧場などのご紹介は、大内山酪農農協HPで。

戻る  次へ