太陽サンサンの南島町で肉牛を飼っています

 熊野灘に面した南島町で肉用牛の繁殖・肥育を手がける若手ホープ。 野田昌志さん(昭和41年生まれ)を紹介します。時代の先端技術で以前に紹介した中桐さんとつながっています。
 

野田さん受精卵のお付き合い

 受精卵の取り引きで、酪農家の中桐さんとの付き合いがあります。仕事以外では「一杯ヤル」という仲でもあります。受精卵の技術を取り入れようと思ったのは、、、以前は子牛の育成時に事故で死なせてしまったこともあって、これをなんとか改善しようと考えました。母牛に対してETと人工授精を交互に実施して、受精卵を販売しています。このことによって子牛の密飼いも解消され、牛舎の面積や管理面にも余裕ができ、子牛に良い環境ができたのだと思います。事故も減って健康な子牛が育つようになりました。

肉用牛経営に意欲

 大学を卒業してそのまま就農しました。親の背中を見て育ったとでもいうのでしょうか、牛を飼うことは好きですし、やればやっただけの「結果」が出るという点でも魅力があったんだと思います。何のためらいもなく就農しました。
 牛を飼ってて楽しいのは、繁殖をやってることもあって、子牛が生まれるのがやはり嬉しいですね。それとやっぱり自分の育てた牛がちゃんと評価されて高く売れると嬉しいですよね。
 けど、直接消費者に肉を売っているわけではないですが、おいしい肉を安く食べてもらえることも目標のひとつです。

お父さんから学んだことは?

 父が飼ってたのは乳用種だったし、いま飼ってるのは黒毛和種だし、飼い方という面では全く違いますね。学んだことは父の頃から力を入れていた「粗飼料の確保」です。稲わらの収集や自給飼料の生産に力を入れています。粗飼料の自給率は100%で、これは我が家の経営の中でも誇れることだと思っています。稲わらは松阪まで収集に出かけます。
 牛を飼うに当たって心がけているのは牛の健康です。餌(濃厚飼料)をやるのは私が担当して、餌の食い込み具合にはしっかり目を向けています。群飼ですのでやはり個々の牛に対しては目が届きにくくなってしまうので、餌の食い込み具合をその群の健康の尺度にしています。

牛舎
粗飼料づくりは大変そうですが

 草づくりも以前と違って機械化が進みましたから、そんなに大変なことでもないですよ。機械化といっても中古の機械を導入することで経費も抑えるようにしています。
 稲わら収集の日は、朝は多少早く起きなきゃならないものの、天候さえ許せば1週間ほどでできますからあまり苦労とも思いません。


休みは?

 完全な「休み」というのは、「ウーンッ」ないかもしれません。
 というのも子供が3人(現在みんな小学生)いることもあって、PTAの用事があったり、地区の役を任されたりということで、これも仕方のないことですかね。子供達を車に乗せてドライブに出かけることもありますけど。

(H13年8月取材)