飼料作物

お食事中1 植物と家畜

 「植物」は、地中の養分と太陽エネルギー、二酸化炭素 、水を利用し、光合成 により植物体を生産します。「家畜」はそれを飼料として食べ、乳、肉、卵、皮、毛などを人間に与えます。そして、家畜の糞尿 は土地に還元し植物の肥料とします。
 このように植物と家畜がさまざまに結びついて、自然に循環 しながらそれらの生産力を向上させていく農業の形態が「畜産」です。

2 日本の畜産飼料

 我が国では、水田における水稲(米)生産が、古くから農業の中心となってきました。しかし、食生活の変化に伴い、畜産物、野菜、果実などの消費が増え、農業生産は多様化しています。 日本での本格的な畜産の生産振興は、1960年頃から始まりました。家畜の飼養施設 や飼料生産用の大型機械類が盛んに導入され、農家の経営規模を大きくしながら、畜産物の生産コストが引き下げられてきました。  しかし、耕地面積 の少ない我が国において、家畜に給与する飼料は、その大半を輸入飼料に依存 しています。その使用量は、国内で生産される米の2〜3倍にもおよびます。

のどかだねぇ3 飼料作物(草)の利用

 牛はもともと「草」だけで飼育できるのですが、牛乳や牛肉を効率的 に生産するために、牧草 類やワラだけでなく多くの穀類を給与しています。飼料作物や牧草は、水田や畑や牧草地で栽培され、トラクターなどの大きな機械で収穫し、サイレージ(貯蔵飼料)や乾草 として牛に給与します。また、広大な牧草地では、牛が自由に草を利用する「放牧 」形態で飼育しているところもあります。


4 栽培されている飼料作物

 外国では、トウモロコシや麦類などの穀物を人の食糧 として利用し、残った穀類や副産物を家畜の飼料に利用しています。また、人の食糧と競合 しない牧草類を草食家畜の飼料としています。 我が国では、飼料作物としてトウモロコシやソルガムや麦類、牧草類を栽培して、乳牛や肉牛の飼料として利用しています。