酪農を学び、コントに笑い声の一日になりました
 
 サン・カラットメンバーを中心に、発足時からお世話になっている関係組織の参加もいただき、平成19年10月24日に松阪農業公園ベルファームで会員の交流会を開催しました。

 食事会も兼ねての催しになったこの日には、会員をはじめとする32名の参加がありました。

 午前中はファーム内の農場レストラン「時のぶどう」で、バイキングを楽しみました。このレストランで提供される素材は、体にやさしい、地産地消、スローライフ・・・といったことを考えさせてくれるものです。このレストランでは、会員さんが生産するタマゴも素材のひとつとして使われているんですヨ。

松本さんのお話

 食事とおしゃべりの後は、松阪市で酪農を営む会員の松本まさ代さんから「私の歩んだ酪農経営〜改めて取り組んだ資源循環〜」と題しお話をいただきました。規模拡大に取り組んできた時代、忙しさに追われていた思い出や家畜排せつ物法で決断と選択を迫られた酪農の現場からの実体験です。話を聞いた参加者も同じ経験をしてきたこともあり、共感した部分がたくさんあったようです。

 話を聞いた参加者からは、「畜種が違う酪農について改めて勉強できた。」「環境との調和という内容がよかった。」「人には言えないような苦労があったと思うが、これからも頑張ってほしい、頑張っていきたい。」といった感想が寄せられました。

ビデオ「BSE発生農場の1年」

 短いビデオでしたが、T県でBSEが発生し混乱する現場と仲間の声援によりこれを乗り越えていったようすをビデオで見ることができました。

 BSEの発生も一時の大騒ぎはなくなりましたが、畜産農家にとっては忘れられない大事件でした。
 このビデオの農家が立ち直って過程では、やはり畜産仲間の温かい支えがあったようでした。ありがたいですよネ、仲間。

コント「カスタマーセンターへようこそ」

 畜産経営では、日頃の家畜の健康管理が大切ですヨ!というテーマをおもしろおかしくコント仕立てにした原稿をT県家畜共済組合から提供いただきました。会員で家保職員でもある平塚さんと代表世話人の小林さんがこれを演じました。

 場所は、酪農牧場。新米のヘルパーさんがやってきて、仕事をしているのですが、運の悪いことに子牛が病気に。。。「これは大変だ、牛乳に相談だ・・・いやいや、こんな場合は、獣医さんに相談だ。」とあわてて電話をしますが、あわてているとロクなことにはなりません。電話番号と牛の個体番号を間違えてしまい、電話は、なんと「家電のカスタマーセンター」へ。掃除機を目の前にした相談員と下痢の子牛を目の前にしたヘルパーさんのトンチンカンなやり取りに、「客席」からは、爆笑の声が上がっていました。

 練習なしのぶっつけ本番で臨んだ「タレント」二人でしたが、息ピッタリでした。

意見交換会

 日頃、疑問を感じていることや生産者として訴えたい課題について意見が出されました。

 飼料価格高騰に関係する問題は、いずれも家畜でも大変大きな緊急を要する課題です。市価は上がってきているのに生産者価格には反映されないもどかしさや、この先の経営について不安の声が出されていました。

 農水省では、一般消費者向けに飼料価格高騰に理解をいただけるように作成したパンフレットも発行しており、これらの利用についても協会からお願いをしました。

 畜産への理解醸成の一環として、食育活動が推進されていますが、現場からその様子を見てみると、畜舎へ見学に来られても挨拶もなく見学されるようすもあり、更には防疫面からは不安も感じてしまうという声も出ました。

 畜産のことを知ってもらいたいという熱い気持ちと、防疫面では、外部からの侵入者を最小限にしたいという気持ちが交錯しています。

 サン・カラットと全国畜産縦断いきいきネットワークでは、活動の舞台がやや異なりますが、求めるものには共通のものがあります。いきいきネットで知り合った人から別の場面で声をかけられて嬉しかったとか、それをきっかけに三重県への訪問について相談があったという新しい展開についての報告もありました。

 10月に入り、さすがに秋の気配も濃くなってきていましたが、この日の日中は汗ばむような日ざしもありました。

 しかし、やはり秋の夕暮れです。日が落ちた頃には、ヒンヤリと秋風が頬を撫でてくれた一日でした。