第24回農山漁村のつどいに参加
今回のテーマは「農山漁村の力・再発見」
平成24年2月22日(水曜日)三重県総合文化センターフレンテみえ多目的ホールにて

 農山漁村のつどい実行委員会(県農業経営室事務局)の主催により開催されました。今回のつどいには全体で150余名、サン・カラットからは、会員等13名が出席しました。
 
 午前の部では、福島県飯館村の元農業委員会会長佐野ハツノさんから「私のムラづくり実践~飯館村からの報告~」と題して講演がありました。
講演要旨

 かつてどこの地域でもそうであったように男尊女卑の風潮の中で20代から40代の女性を中心にした会「若妻の翼」を立ち上げ、ヨーロッパ研修に出かけたことをきっかけに、同じ境遇の女性がいること、同じ悩みや意見を持つ女性がいることが分かった。
 女性が生意気にという世間の目もあったが、夫や家族の理解を支えにして、女性が前面に出た女性名義の農業が実践できることになった。
農業委員にも推薦されたが、「女性であること」への批判めいた言動も聞かされたり、さらに委員長にも推され、選挙により僅差で役に就いた。
 農業委員会活動が如何なるものなのかの理解も薄い中で、まず、活動内容を知ってもらうことが大切だと判断し、寸劇でこれを伝えてみた。村のため、地域のために尽力していることを理解してもらいたかった。
昨年の東日本大震災では、直接、被害を受けた。1ヶ月以上も経った後に、避難、移転という話が出た。若い世代と高齢者の間には、対応に差が生じた。高齢者にとっての避難所生活は、認知症の悪化、うつ病の発生など「交流のなさ」が原因と思われる現象がみられた。高齢者の活性化を図るために、伝統的な半纏を縫うことを勧めた。マスコミにもこの活動が取り上げられ、生きがいを見出した仮設住宅は活気づいた。
 これまで、「村のために」を念頭に活動してきた根幹には、次のような思いがある。「自分らしく生きること、主体的な生き方をすることが人間味にあふれることだ。」「豊かな生活とは何かと考えるとき、住みやすい地域、家族があること、行動について理解・支援してくれる人がいること。(自分だけでは何もできないが、頼れる、甘えられる仲間がいること。)」
分科会
 午後からは、次の3つのテーマで分科会が開かれ、参加者同士で意見交換をしました。各分科会で話し合われた内容は事務局に報告され、県中央農業普及センター担い手育成室の石田副参事が結果を取りまとめて報告がありました。

分科会のテーマと取りまとめの報告要旨

《地域の活性化》
 「若い人の参加が必要。」「リーダーシップを取れる人の存在が必要。」、「一人一人が参加しやすい活動であること。」、「女性が元気であることが『力』になる。「人の良いところを見つけ出し、褒めること。」という意見があった。

《自分自身の経営》
 発言内容はテーマが「自分の」であることから個人の範疇の発言が多かったようだが、「まずは健康第一であり、そして家族の協力が不可欠。」という意見や「後継者を育てる。」「若い人、次の世代を見据えて行動を起こしていこう。」という積極的な発言もあった。

《グループ活動》
 午前中の講演でも触れられたように「家族の理解を深めて活動しやすい環境をつくることが必要であり、自分の努力も必要である。」という意見が出されている。
 また、「地域の資源や伝統的な行事を活かしつつ、新しいものを生み出す努力が必要。」「自分たちの活動を周囲の人にアピールしていくことも必要。」