6 む す び

 以上、食品廃棄物の飼料化、バイオガス利用というの畜産業に関わる廃棄物の資源化の事例をドイツにみた。  動植物性の廃棄物、家畜の糞尿は、有効利用できるものに形を変えるか、もしくはエネルギー化するかどちらかである。詰まるところ現時点での有機性廃棄物の資源化の行き着く先は、飼料、肥料、熱・電気エネルギーとなっている。

 とはいえ、地域でその資源化を図る場合には、バイオマス用途の階層性(付加価値の大きさ)にそって処理の順序を設定する必要があろう。まず食品廃棄物の飼料化であり、それに適さないものや処理能力の超過分を家畜の糞尿と合わせてメタン発酵させ、電気・熱エネルギーを回収し、さらに発酵残渣を肥料にするという多段式の処理である。それによってエネルギーロスの少ない理想的なリサイクル体系ができあがるのである。これは循環経済・廃棄物法でいう処理の優先順位に当てはまる。

 我が国では、「食品リサイクル法」「家畜排せつ物管理法」が施行され、具体的対応策が求められている。畜産を紐帯として食品廃棄物の飼料化とバイオガス利用を結合したリサイクル体系を形成することは、両法をつないだ優れた対応方策とみることができる。

 飼料自給率が低い我が国の畜産にとっては、食品廃棄物は貴重な資源である。上記のリサイクル体系は、循環経済システム構築に向けて経済活動に新たに投入される資源・エネルギーを可能な限り少なくするという「投入の最小化」に添うものといえ、化石燃料への依存を少しでも減ずる効果をもつものといえる。

 環境先進国ドイツでも、飼料化とバイオガスプラントを積極的に結びつけたものはまだ先進事例の範疇に入る。我が国でも、食料廃棄物の飼料化とバイオガスのプラント開発を個別に研究開発するだけでなく、両者を結びつけるシステムづくりを構想することが必要になってこよう。