わが子のように牛を育てる肉牛生産農家の熱意に感銘を受けました

 平成19年2月22日(木曜日)、四日市市の門脇さん(肉用牛農家)の現地見学と関係者による意見交換会を開催しました。

 畜産協会で実施する畜産物安全・安定供給相互理解体制推進事業による現地交流会も回を重ねるにつれて、その内容が充実してきたように感じられました。

 今回も学校給食栄養士や消費者団体等の皆様の参加をいただき、肉用牛生産者から施設や飼料の説明、牛の飼育に対する気持ちを熱心に聞いていただきました。

 牛も人間と同じように体調を崩し、病気にかかる。そんな時には、わが子に接するように治療に当たるという生産者の「気持ち」を語っていただきました。

 治療と一言に言っても、単に投薬することではなく「その牛が健康になろう、生きようとすることに手助けをするんだ。」という言葉に生産者の思いが込められていて感銘を受けたという声が聞かれました。

 省力化のためや牛の性質を考えた施設整備も新たに参加した見学者にとっては、一見の価値のあるものが多く、近代化された衛生的な施設に感心されたようすでした。

 午後からは、養豚の繁殖肥育一貫経営の経営概要について、生産者の水野さんからスライドで説明がありました。

 意見交換会では、給与飼料についても質疑応答がありました。家畜の生命や健康を維持し、良質の畜産物生産に大きな影響をあたえるものだけに、関心が高い課題です。

 本来なら国産の穀物を原料にした飼料を給与したいのは、生産者の願いですが、現実としては、飼料のすべてを輸入に頼っているのが現状であるという回答もありました。

 学校給食や食育を通じて子供たちに食の大切さを教えることの大切さについても意見が出ました。地産地消が推進されているものの、給食等で容易に地元の食材を利用できない理由として、価格の問題や、取引先が扱う商品が限定されていること、一度に大量の商品をそろえる必要があることなどがネックになっている事実を、参加者はそれぞれの立場から改めて認識することになりました。

 こういった現状を踏まえ、関係者がそれぞれの立場から地産地消を進めていく必要性についても語られました。
 
門脇牧場での現地見学のようす。 飼料は関心の高い事項です。
   
農家が堆肥を買いに来たようすが
見られました。
意見交換会のようす。