畜産物安全・安定供給相互理解体制推進事業の概要
社団法人 三重県畜産協会
 
 事業の目的及び内容
 
 畜産サイドからは個々の生産物に付随する情報を開示し、消費者に広く深く理解を求めて行きたいところですが、生産と消費の二者を直線的に結ぶだけではなく、これらを取り巻く関係者を面的に捉え相互理解の下で確固たる信頼関係を築き、物と心のやり取りを行うことが、基盤の強い農畜産業を育成していくことと思われます。

 ついては、本事業の実施により、畜産物等の生産、流通、消費等に関係する者に対して、知識の習得や意見交換等の場を提供し、ここから相互理解を深め、強い絆で結ばれたグループを育成することを目的といたします。

 このため本事業では、モデル地域を中心に生産サイドと消費サイドの交流の場を設け、安全性を重視した農畜産物やこれに付随する生産情報を消費サイドに提供し、相互的に関係する者の間に強い信頼関係を構築することを目的といたします。
 
 具体的な事業実施計画
 
 上記の目的のため三重県畜産協会では、平成16年度、17年度、18年度の3ヶ年間で事業を実施します。
 具体的な事業内容は、次のとおりです。
 
1 県域検討委員会の開催
 総体的な事業検討(研修会開催内容、モデル地域の選定、交流会開催方法等につき、3ヵ年及び当年度事業計画案の検討)、モデル地域以外への事業普及、事業成果の広報等を実施します。
 
2 モデル地域検討委員会
 生産サイドと消費サイドの交流等は、モデル地域を中心として実施することから、該当地域においての事業推進について検討します。
 事業目的に合致する畜産物を供給するに当たりその基準等について検討します。
 
3 地域交流会
 畜産生産現場、生産加工等について現地の関係者等と交流を図ることにより畜産への理解を深めます。
 
4 研修会
 畜産物等の直販に取り組むに当り、畜産生産者・消費者の双方からの理解を深め合える一助となる事例等について研修します。
 
 畜産物の安全安定供給に係る基本理念と推進内容
 
 これらの取り組みを、それぞれの方向から整理してみました。
 これをご覧になったあなたがそれぞれの相互理解のために取り組める内容を考えてみてください。
 また、この事業へのご意見ご希望もお待ちしております。
 
基本理念 推進内容 具体的な取り組み
消費者が自ら食の安全確保に取り組む 1 正しい知識の習得 ・セミナーや勉強会への積極的な参加
・自主的な学習
・積極的な情報収集(ホームページの活用)
2 正しい知識の情報提供と支援 ・シンポジウム、講演会の開催、参加
・広報誌等を利用した情報提供
3 消費者自らが安全対策に取り組む ・家庭内での衛生管理
・家庭内での食中毒防止等
・家族内、家族間での意見交換
4 生産者、業者、行政等との相互理解 ・現地見学会や農作業体験への参加
・意見交換会等への参加
・情報収集
消費者の視点に立った畜産物の提供 1 生産者の意識の高揚 ・消費者を意識した生産に関する学習
・研修会の開催
・食の安全に関する研修会への参加
2 消費者との相互交流 ・直販部門の拡大
・農作業体験の場の提供
・生産現場の公開等生産実態の情報提供
・消費者交流会等の開催
・ホームページを初めとする媒体での情報提供
・小売店等への情報提供
3 生産工程等の情報提供 ・トレーサビリティーシステムへの取り組み
・HACCP等の考えを取り入れた生産
・投薬、治療等の記録と開示
・飼料等使用原料の情報入手と生産記録の蓄積と公開
4 適切な投薬、衛生管理 ・関連法規の周知徹底
・動物医薬品の適正使用
・飼料添加物等の適正使用
5 環境にやさしい畜産の推進 ・家畜排せつ物の適正処理と資源循環の推進
・食品リサイクルによる循環型農業の実践
・化学物質使用の抑制
食品の衛生管理の徹底 1 自主的な衛生管理の推進 ・関連法規の周知と遵守
・衛生管理マニュアルの作成と実践
・HACCPシステムの導入やこれに基づいた衛生管理
2 衛生管理意識の高揚 ・関連法規の周知と遵守
・食品安全に係る研修会の実施
・食品関係者の衛生管理
3衛生管理状況の公開 ・食品の生産、加工、流通等における管理記録
・使用資材等の使用記録と公開
4 情報の活用 ・食中毒発生の未然防止のための情報入手
食に対する正しい知識を育てる「食育」の啓発 1 児童、生徒たちの体験学習 ・生産者の協力による農作業体験
・行政等が開催する農業祭等への参加
・農業関係のコンクールへの参加
・農業の姿を理解するための教材の提供
・親子料理教室の開催
2 学校教育関係者の学習推進 ・指導者用資料の提供
・農作業等実地研修への参加
・食に関する研修会への参加
3 家庭での勉強 ・家族間のコミュニケーション
・学校等から入手する資料による学習
・伝統料理の継承
4 地場産品を利用した学校給食の推進 ・地場産品を利用したレシピの作成
・地元食材の提供体制の確立
・生産者等との交流給食会の実施