ここがポイント

バケツ(1)水分調整(容積重の調整)

 投入する材料の水分調整(容積重の調整)は、堆肥化の重要なポイントです。特にシートを使った簡易的な堆肥化処理方法では、大きなポイントになります。 おが粉やもみがら等の副資材を混合し、牛のふん尿の場合、容積重で650kg/m3以下(6.5kg/10リットル)に調整して下さい。 このときの水分は、畜種、副資材の種類によって異なりますので、表を参照して下さい。

表1 堆肥化スタート時の水分と容積重

畜 種 副資材無使用 戻し堆肥混合 おがくず混合 もみがら混合
65%以下 68%以下 72%以下 75%以下
豚・鶏 55%以下 58%以下 62%以下 65%以下

注)容積重はいずれも700kg/m3。

(2)通気

 堆肥化には酸素の供給が必須条件です。
 被覆シートは通気性や透湿性に優れた素材であるとされていますが、堆積した内部深くでは好気発酵は不十分となる傾向があります。
 一般的な堆肥化施設では、ローダーによる切り返し作業、攪拌機による撹拌、強制通風などによって通気できますが、シートの場合、これらの作業は、事実上不可能な場合がほとんどだと考えられます。

(3)排汁の処理

 堆肥中の水分は堆肥化過程の発熱である程度蒸散します。
 しかし、堆肥化初期の水分調整が不十分で、太陽熱や発酵熱による蒸散が不十分な場合、排汁が大量に発生します。この場合、そのまま放置することは地下浸透につながるので、排汁の回収が必要です。不浸透性シート上に集水管を設置し、排汁を貯留槽に貯留します。

(4)雨水の浸入防止

 設置の手順で記載したように、設置場所を十分検討し、必要があれば、雨水進入防止用の土手を設置して下さい。また、被覆シートは必ず不浸透性シートの外側まで設置して下さい。

(5)風対策

 被覆シートが風で捲られないように、土のうや古タイヤ等で押さえて被覆シートを固定する必要があります。この場合、ブロックや角材など角があったり、堅い素材の物は、シート破損の原因となるため避けた方が良いでしょう。

堆肥化に必要な面積の目安

 遮水性マット、通気性シートを利用し堆肥化を図る場合、必要となる堆肥化面積は表2を目安として下さい。

表2 概ねの必要面積の目安(酪農の場合)

区  分 経産牛1頭当たり平均乳量
7,600kgの場合 8,000kgの場合
経産牛頭数 30頭分 190m2程度 206m2程度
20頭分 129m2程度 139m2程度

この計算では、経産牛平均飼養頭数に対し、8%程度育成牛が飼養されている。経産牛頭数の12/14頭が搾乳牛であり、2/14頭が乾乳牛であるといった条件を基礎に計算しています。

その他の基礎数値として、環境アドバイザー研修テキストの数値を参考にしています。

概ねの堆肥化必要日数を150日程度としています。

水分調整材として水分25%のおが粉を使用することを前提としています。

堆積高さを1.5mとしています。

費用の目安

 堆肥化に必要な面積から勘案して、次のような大きさのシートが販売されています。
 この場合の必要な経費は概ね次のとおりとなります。(T社の販売価格を参考にしました。)

通気性シート 遮水性マット 合計価格
長さ シート面積 価格/枚 長さ シート面積 価格/枚
6m 10m 60m2 20,400円 5.4m 15m 81m2 34,830円 55,230円
15m 90m2 30,600円 20m 108m2 46,440円 77,040円
20m 120m2 40,800円 25m 135m2 58,050円 98,850円
25m 150m2 51,000円 30m 162m2 69,660円 120,660円
8m 10m 80m2 27,200円 7.2m 15m 108m2 46,440円 73,640円
15m 120m2 40,800円 20m 144m2 61,920円 102,720円
20m 160m2 54,400円 25m 180m2 77,400円 131,800円
25m 200m2 68,000円 30m 216m2 92,880円 160,880円
10m 10m 100m2 37,000円 9.0m 15m 135m2 58,050円 95,050円
15m 150m2 55,500円 20m 180m2 77,400円 132,900円
20m 200m2 74,000円 25m 225m2 96,750円 170,750円
25m 250m2 92,500円 30m 270m2 116,100円 208,600円

表中の価格には、消費税、送料(シート、マット各々)1枚当たり1,500円は含まれていません。

遮水性マットの大きさは、堆肥化に利用できる面積ではありません。(周囲に作る土手部分等に必要な面積(幅)を差し引いた大きさが実際に堆肥化に利用できる(堆肥を置ける)面積となります。
 さらに、実際の設置場所では、機械類が自由に作業できるような通路等の面積を確保する必要があります。(この面積はシートの大きさには関係ありません。)

その他設置に必要な資材として次のような経費がかかります。

排汁用暗渠管、排尿タンク、テープ等諸雑費等の材料費として、94,000円

この他の経費として、機械類のリース代金、施工費等が必要な場合があります。