環境対策は万全です

コンポスト鶏糞の処理方法

 成鶏舎は高床式、中大雛鶏舎は低床式で、これらの鶏舎からショベルローダーで鶏糞を搬出します。搬出した鶏糞は、密閉式コンポスト(醗酵槽容量16m3)へ投入し、約1週間醗酵させます。密閉式コンポストには脱臭装置を設置して臭気の発生がないようにしています。この対策は鶏舎を取り巻く環境が新興住宅地となってきていることに対しての配慮でもあります。(鶏舎敷地から程遠くない場所が新興住宅地となってきています。)

 密閉式コンポストで鶏糞処理をする時に、約70℃に温度が上がり、醗酵が促進されます。鶏糞の投入は連続して行うのではなく、一括投入、一括搬出としています。

 醗酵済の堆肥は、その後ハウス乾燥舎へ搬入し、3日間程の日数をかけて徐々に温度を下げます。こうして出来上がった完成品は、袋詰し、倉庫へ保管後JAや耕種農家に向けて出荷します。

鶏糞の利活用

 成鶏舎で発生する鶏糞は、鶏舎が高床式であることから、適度に自然乾燥され、鶏舎からそのまま搬出した状態でも堆肥としての利用も十分できることから、鶏糞全体量の30%強は鶏舎から直接搬出して、近在の耕種農家へ引き取ってもらっています。(近在の農家とは、同地区あるいは同一校区内といった近在の農家から市外地域といった範囲にある農家で、農協が推進する「なばな」「モロヘイヤ」「ねぎ」等の野菜類や果樹に利用しています。)

フローチャート

 平成5年に密閉式コンポを導入したことから、処理能力が上がり堆肥化にかかる労力も軽減され、かつ良質の堆肥が生産できるようになりました。鶏舎内に余分な鶏糞を堆積しないため鶏舎内の環境もさらに改善され、生産成績も改善されています。

 堆肥の販売価格は、400円(15kg入袋物)を基本としていますが、取引量により優遇もしています。また、上述した高床式鶏舎から直接搬出する鶏糞については、当経営のショベルローダーで搬出に当たることから手間賃程度の価格として、軽トラック1車分を2,000円(ショベルローダー1杯を500円換算)で販売しています。

 また、堆肥の流通促進を図るため、夏期(7月8月の2ヶ月間)には、「堆肥の無料キャンペーン」を実施しています。キャンペーン実施に当たっては、過去に堆肥を購入いただいたお客様に対しダイレクトメールを送付して喜ばれています。DMが好評な理由は、無料で堆肥を貰いにみえる皆さんの言葉を借りると「ハガキをもらったことで出向くきっかけができ、訪問しやすく、妙な遠慮をせずに済む。」ということだそうです。

 農村地帯であった鶏舎敷地周辺も団地が増設され、その距離は決して遠くはありませんが、臭気対策も実施済みで、鶏舎周辺へ花を植えるといった環境美化にも努めるなどのきめ細かい配慮をしています。また、花に興味をもって訪れる人に対し、堆肥の説明、利用といった面へ話をつなげていくといったような目に見えない交流も生まれています。