牛の心音を聞いて感動

 平成19年10月30日(火曜日)、本年度も三重県畜産協会では、地域畜産ふれあい体験交流推進事業の一環として、「地域畜産体験交流研修会」を開催しました。

 この研修会は、牧場など畜産の現場でのみ可能な生の畜産体験を通じて、皆さんに畜産を身近に感じてもらい、理解を深めてもらいたいという目的で開催しています。

 参加した松阪市立天白小学校では、「食」について総合的な学習を実施しており、この日の活動もその一環として6年生60名が学習を深めました。

大内山ふれあい牧場

 松阪牛の学習をしてきた天白小学校6年生の皆さんですが、乳牛にふれあうのは初めての人が多かったようです。

 ここでは、ホルスタイン種より少し体形が小さいジャージー種という牛で乳搾りを体験しました。大内山酪農農協職員から「人差し指で、マルを作って、順番に指を曲げて搾るんだよ。」と教えてもらい、一人一人が乳搾りに挑戦しました。「思っていたより簡単にできた。」という生徒さんや乳頭を握って「フニュフニュしてた。」とか「温かい。」という感想も聞かれました。

 搾乳体験に続いて「牛の音」を聞く体験もしました。先日、松阪食肉衛生検査所を訪問した際には、自分の胸に聴診器を当てて、心音を聞いてみましたが、今日の対象は牛さんです。牛の心臓や肺がどのあたりにあるのかもわかりません。獣医さんに教えてもらいながら、トントンと鼓動する音や寄せては返すさざ波のような肺の音を聞いてると、牛も人間も同じ動物だということが分かりました。

 バターづくりも体験しました。

 牛乳からバターができる!と、思っていましたが、正確に表現するとそうではないと知り、頭の中に「?」が点滅した場面もありましたが、説明を聞いて「なっとく、なっとく。」

 早速、バターづくりを始めました。「よーく、振ってぇ〜、また、振ってぇ」の声に合わせて、みんなで一生懸命に振っていくと、さっきまで液体だったものが、固まり始め、なんとなく「バターかな?」と思えるようなものがビンの中にできてきました。

 バターづくりの途中でできた、バターミルクも味わってみました。濃い味になじめない生徒もいましたが、逆に濃厚なミルクの風味を堪能した生徒もいました。

 できあがったバターは、ビンに詰めて家族へのお土産にしました。

 お昼は広々とした牧場の中でお弁当を広げましたが、場内を散歩するジャージーの親子を発見した子供たちは、お昼もそこそこに、かわいい牛さんとの時間を楽しんでいました。

明和町吉田牧場

 松阪牛の勉強をする中では、松阪市飯南町の森本さんが学校へ連れてきてくれた子牛に会う機会もありましたが、大きな牧場を見ることは、今回が初めてです。

 約160頭の牛が飼育されているこの牧場のようすを見たり聞いたりしてみました。

 牧場主の吉田行良さんから、この牧場で飼育されている牛の種類や、どこから来た牛なのか、どんなエサを与えているのかといった説明を聞きました。

 生徒たちは、たくさん積まれた稲わらロールや堆肥、天井に取り付けられた天井扇にも目を向け、質問したり感じ取ったことについて意見を出し合ったりしました。

 牛でもケンカすることがあるので、角を切ることや、仲の良い牛同士を一緒の部屋に入れておくことなども学びました。

 牛に稲ワラも給与しました。モリモリ食べる牛や後ろへ下がってしまう牛などいろいろいたようですが、もうすぐ出荷される牛もしっかりエサを食べてくれたという笑顔の生徒もいました。

 みんな予想以上に楽しく心に残る思い出の一日になったようでした。
 
ふれあい体験交流会アンケート結果[PDF]