地域畜産ふれあい体験交流推進事業により
地域交流牧場協議会を開催しました

本事業の目的
 畜産を取り巻く社会情勢は、O157やBSE、更には鳥インフルエンザの発生などにより、消費者の皆さんが畜産生産物の安全性についての不安を持ったり、食肉の偽装問題による不信感が生じるなど、畜産物の消費推進については、マイナス要因により厳しい状況にあります。

 一方、消費サイドでは、これらの出来事をきっかけに食に対する安全性への関心が更に高まってきていますが、畜産生産物を始めとした食品の安全性に関する正しい知識と理解を深める機会が十分であるとは言い難いのが実情だと思われます。

 このため本事業を実施することにより、消費者の皆さんを畜産の現場に誘い、現場でのみ可能な生の体験や畜産生産物の利用推進のための調理実習等を通じて、生産と消費との距離を縮め、共有する知識の上に立った双方向からの理解を深めることにより、畜産物の消費拡大を進め、畜産の振興につなげることを目的としています。

 平成17年11月2日、津市栄町のJA三重ビル大会議室で開催したこの協議会へは、次の関係機関の出席がありました。

三重県農畜産室、三重県科学技術振興センター畜産研究部、三重県中央農業改良普及センター、三重県養豚協会、三重県養鶏協会、JA全農三重四日市食肉センター、三重県食生活改善推進連絡協議会、酪農協、総合農協、養鶏生産者、教育関係者

 この日の協議では、本事業の実施に当たり次のような協議が行われ、推進内容が決定されました。
 
協議内容
 本事業の推進にあたり事務局の畜産協会から事業概要について説明し、本県での取り組みについて検討した結果、次のとおり推進していくことになりました。
 
  主な事業概要は次のとおりです。

本事業は、社団法人三重県畜産協会が本年度を初年度として三ヵ年計画で実施します。

*地域交流牧場協議会の開催
 この事業の趣旨、計画の説明とその内容について協議検討等を行う会議を開催します。

*地域畜産体験交流研修会の開催
 地域の畜産ふれあい体験交流施設等の協力を得て、消費者の皆さん、児童・生徒等を対象に畜産理解醸成のための現地交流研修会を開催します。

*畜産加工調理体験教室の開催
 地域の生産者、消費者、加工流通販売業者、教育関係者、栄養調理関係者等の協力の下に、消費者の皆さん等に対して国産畜産物の加工調理体験教室を開催します。

*地域情報システム構築と推進
 ふれあい活動に係るポータルサイト並びに当協会のホームページに、地域の交流牧場等の施設、ふれあい動物の情報、利用方法、地域イベント等の情報や本事業の実施状況を提供し、広報・管理します。
 
検討の結果次のとおり推進することになりました。
  地域畜産体験交流研修会について
 三重県畜産協会の事業計画では、一般への公募により一般消費者等を対象と考えていましたが、その後、肉用牛について学習を進めていた松阪市内小学校との交流が生まれました。
この小学校では、「本年度、食育を含む郷土の勉強を実施し、畜産については、松阪牛の生産者を招き、生徒に講演をいただき、松阪食肉センターや衛生検査所の見学により、流通部門の勉強もしました。この教育効果を更に発展させるには、現場への見学は非常に有効であると考えます。」といった旨の発言がありました。
 協議の結果、同校の生徒の参加による交流研修を進めることに決定しました。概ねの実施概要では、肉用牛生産農家への訪問・体験、酪農生産者への訪問・体験、併せて、酪農現場では、ふれあい牧場で、バター製作などの体験をすることとしました。

畜産加工調理体験教室について
 上記同校では、学習から得られた地元の食材を使ったメニューを考案するといった取り組みをしており、これを市の給食センターへ提案するといった学習をしていましたが、実際には予算上の問題等もあり、提案レベルでストップしている状態です。このことから、ふれあい体験と共に本事業の対応で調理体験を実施していきたいとの要望が出されました。
 協議の結果、詳細については、次週の加工調理体験協議会での協議により決定しますが、年間2回の開催のうち、1回を同校で実施することとしました。
 残りの1回については、公募することとしますので、後日の当協会からの公募にご応募下さい。

地域情報システム構築推進について
 この事業の一環として、ふれあい牧場的な要素を備える施設、イベントの紹介をし、広く一般消費者の皆さま等に広報し、畜産現場へ足を運んでいただけるようにいたします。
 協議の結果、県内で対象とするのは、「四日市ふれあい牧場」「大内山ふれあい牧場」「地主共和商会」「三重県科学技術振興センター畜産研究部」とすることしました。なお、他にも家畜に触れ合える施設等のご推薦をお願いします。

パネルの製作等について
 事業実施に当たり、皆さまの畜産への理解を深めるために、平易な表現で、畜産の総合理解を推進できるような内容のパネルを製作いたします。
 内容については、家畜の一生等飼育にかかわる内容と牛肉、豚肉等の部位別の利用方法を示せるような内容です。
 パネルの内容については、同様のものをインターネット上でも公開する予定ですのでご期待下さい。
  
 なお、この事業取り組みのようすについては、随時掲載していきますので、ぜひ当ホームページをご覧下さい。
  
11月2日に開催した地域交流牧場協議会の様子