鶏は、その卵や鶏肉を利用するため、古くから飼育されてきました。愛知県には、有名な「名古屋コーチン」という鶏の品種があります。この鶏は、愛知県内で飼われていた「名古屋種」と「バフコーチン種」を交配した品種ですが、卵を利用しながら、鶏肉も利用する卵肉兼用種 と言われています。
現在、農家で飼育している鶏は、卵を採るための鶏(卵用鶏 ・採卵鶏 )と、鶏肉として利用する鶏(肉用鶏・ブロイラー)に分けられ、外国で改良された鶏が多くなっています。
1 鶏の一生
鶏の卵(有精卵 )は、適当な温度と湿度条件で、21日目に「ひよこ」となります。「ひよこ」は4〜5ヶ月で成鶏(おとな)となり、卵を産み始めます。そして、生後6〜7ヶ月ごろ、最もたくさんの卵を産むようになります。
鶏は雑食性でいろいろな飼料を食べますが、筋胃 と呼ばれる消化器があり、硬い穀類を飼料として利用できます。通常、トウモロコシや麦類などを主とした配合飼料が、農家では使用されています。
2 いろいろな卵
1羽の鶏(卵用鶏)は一年間に約300個の卵を産みます。スーパーの店頭に並んでいる卵の重さは、約60gです。産み始めの卵は小さく(45g)、成長とともに卵の重量は少しずつ大きくなります。
卵の殻は白いものがほとんどですが、褐色 のもの、うすいピンク色など品種によりいろいろな色があります。最近では、うすい青色の殻の卵もあります。
卵の大きさは鳥の種類によって異なります。小さな卵はウズラでは約10g、反対に、最も大きな卵はダチョウで約1.5kgもあります。
3 肉用鶏
成長が早く肉付きよく改良された肉用鶏は、「ブロイラー」と呼ばれ、鶏肉として販売されています。「ブロイラー」は、産まれてから2ヶ月くらいで約3kgに成長します。
「伊勢赤どり」や「名古屋コーチン」などの名称で呼ばれる肉用鶏は、「ブロイラー」ほど早く大きくならないけれども、「おいしさ」を目標に改良された品種です。
鶏の飼養状況
(採卵鶏)(令和6年2月1日現在)
区 分 |
飼養戸数 |
飼養羽数 |
一戸当り羽数 |
三重県 |
63戸 |
4,574千羽 |
72,600羽 |
全 国 |
1,640戸 |
129,729千羽 |
79,100羽 |
(ブロイラー)(令和6年2月1日現在)
区 分 |
飼養戸数 |
飼養羽数 |
一戸当り羽数 |
三重県 |
8戸 |
662千羽 |
82,800羽 |
全 国 |
2,050戸 |
144,859千羽 |
70,700羽 |
※農林水産省統計部「畜産統計調査」による
|