「世界のブランド松阪牛」に情熱を注ぐ後継者

  「家族4人で力を合わせながら、毎日楽しく牛を飼っています。」と笑顔でお話いただきました。 多気郡宮川村の西村 直人さん(昭和42年生まれ)を紹介します。
 

西村さん一家この道に進もうと決心したのは?

 牛飼いをしようと決心したのは高校生の頃です。
 大学で畜産を学んだ後、すぐにうちの経営に入りました。自分の努力が正直に結果として現れる仕事が自分に合っていると思いました。まあ、親父にうまくだまされた(?)感じがないでもないですけど。(笑)
 ただ今、経験年数13年。

昨年のBSEの影響は?

 一時は「もうこれで牛飼いもできなくなるのかな。」と絶望的な時期もありましたが、今は松阪牛の正直さ・おいしさが全国の皆さんに注目を浴びて、嬉しい限りの毎日です。
 去年の松阪肉牛共進会では3席入賞の栄誉もいただきました。これからも、いいものを作って「西村の牛」が堂々と店頭に並べられるように頑張ります。

経営の方は順調ですか?

 ウーンッ、はっきり言って「丼勘定」の部分もありますね。導入価格は1頭毎につかんでいますから、売れた価格からもと牛代とエサ代を差し引いて…といった具合ですけど。これからはもう少し、正確な数字を把握しないとだめでしょうねえ。 牛の観察には気を緩めません。病気の牛の早期発見・治療がとても重要なポイントだと思います。

牛舎仕事以外での直人さんは?

 妻が育児に専念している時ですので、私は休む暇もありませんが、気にせず働いています。牛飼いの仲間では稲わら収集作業などで、もっと忙しい思いをしている友人もいますから、私なんかはまだまだ楽をしている方だと思います。
 まとまった時間が取れないので趣味と言えば、パチンコかな?
 4歳の長女、去年11月に生まれた長男とも遊んでやりたいし。

今後の夢は?

 今は340頭規模の肥育経営ですが、倍の規模にしていきたいです。「松阪牛」の消費に応えるためにも、地域としても、もっともっと飼養頭数を増やしていかなければと感じています。これは私の経営だけで片付ける問題じゃなくて、松阪牛飼育農家のみんなが少しづつでも増頭して、全体として大きな生産能力をもつ松阪牛でありたいと考えています。

お父さんお父さん(泰三さん)から直人さんへ一言

 だんだんと経験を積んで、ここ3年ほどはグッと実力をつけたと思います。
 以前は「おやじっ、今日はナニするの?」と作業を聞いてくる息子でしたが、この頃は私の考えていることを、先立ってやってくれています。牛の観察の目も肥えてきましたし、爪切りや、除角もうまくできるようになりました。もう任せてもいいのですが、まだ私も若いし(笑)。
 うちの経営は家族みんなで楽しくやっています。息子夫婦も私達夫婦もみんなが力をひとつにしています。

(H14年8月取材)

モー