一人で何役かなあ、忙しいねえ・・・

  もちろん養豚が本業なんですけど、地域やJA関係の役員、少年野球のコーチといった役割を果たしている多気郡勢和村の高山幸一さん(37歳)を紹介します。
 

高山さん就農したきっかけは?

 高校卒業後、ためらいもなく就農しました。というか長男ということもあり、子供の頃から、父の仕事を継ぐことは当然のことのように思っていました。 「もともと農業が好きなんでしょうね。」と就農当時を振り返りながら、お答えをいただきました。

 高校では、畜産の勉強をし、その課程の中に「現地研修1年間」というものが含まれていたことから、群馬県の赤城山山麓の養豚場で研修しました。研修で学んだ飼育方法と自宅の養豚との違いを、就農後すぐに父へ進言もしました。しかし、就農して2〜3年は、いわゆる小間使いのような状態で、とても経営に参画しているような感覚はなかったように思います。

現在では、私が主軸です。

 両親も高齢の域に入ってきたこともあって、最近では夫婦で旅行に出かけることも多くなりました。現在では私が主軸になって養豚経営に当たっています。しかし、父も長年の経験から色々と「口を出したい部分」があって、こういった場面では、見解の相違から衝突もありますね。 日々の豚の管理については、問題なくこなせるようになってきていますが、いわゆる経営管理となると勉強していかなければならないところは、たくさんあると思っています。 

どんな養豚経営にしていきたいですか?

 養豚業界も海外情勢に非常に影響を受ける時代になってきていると思います。最近の話題では、メキシコとのFTA交渉が最たるものです。貿易国の日本としての立場や食糧を提供しなければならないという農業者の責任、自分の生活の糧としての養豚業・・・これらを見据えながら、自分の経営についても厳しい目でみつめていかなければならないと痛感しています。

 現在の経営規模は、種雌豚60頭規模で、一貫経営としては小規模なものです。100頭規模を想定して、すでに分娩舎は建設しましたが、その後は、立地条件に左右されて思うままに規模拡大ができないのが実情です。

 養豚経営としては、小さなものかもしれませんが、規模拡大だけを目的にしている訳ではありません。畜産を通じて、社会へ食糧を供給しているという自負がありますから、これが生き甲斐になっています。

休日は取れますか?

 生き物を飼っている以上、まったく何もしない日というのは、基本的にはありませんね。 また、特に最近は、JAの青年部活動や地域の役員とかに指名されて、断りきれずにホントに色々な役割を担っています。 趣味といえば、野球をやっていたことから、スポーツは好きで、今は少年野球のコーチも引き受けています。 休日はないものの、こういった色々な方面で人と出会い、たくさんの知り合いができていくことが楽しみです。人とのつながりは目にはみえませんが、大きな財産だと思っています。

(平成15年10月取材)