プロローグ
梅雨空が続いていましたが、久々に太陽が顔を出し、とても暑い日になりました。
総会を前に昨年も好評だった昼食会を『農場バーベキューレストラン モー&ブー』で開きました。会員同士、ふだんは電話やメールで交流もあるようですが、顔を会わす機会は多くないようで、ひと言挨拶した後は、賑やかな昼食会場に変身。
総 会
総会には、会員23名を含む40名の出席がありました。
開会挨拶で、小林代表世話人は、昨年度の宮崎県での口蹄疫禍や県内でも発生した高病原性鳥インフルエンザ、追い打ちをかけたような東日本大震災について触れ、「心を痛めている。それぞれの場面で物資による支援も求められているが、仲間からの温かい声が励みになる。これからも支え合っていきたい。」と挨拶しました。
来賓としてご出席いただいた三重県農水商工部農畜産室中村副室長様からは、祝辞をいただきました。
総会では、平成22年度の活動状況や収支決算、23年度の活動計画や予算を提案し、出席者から承諾を得ました。
研修会 テーマは「家畜防疫」
(1)朗読劇「今でも浮かぶ牛たちの顔」
これは、昨年12月に開催された「全国畜産縦断いきいきネットワーク大会」の席で、宮崎県の肉用牛農家小守さんからお聞きした口蹄疫被害のお話をもとしたものです。「その惨状、心が折れそうな胸の痛みを風化させてはいけない、三重県の畜産仲間にも伝えなければ。」という思いを込め、大会に参加した会員が「声優」となって劇に臨みました。
「まさか、そんなことは起きないさ。」と思っていたいのが、皆の気持ちだと思いますが、口蹄疫、鳥インフルエンザ、大震災という災害は、まさに突然やってきます。
劇の中では、「明日はどうなるんだろう、明日はどうなるんだろう」という緊迫した状況の中で、ついに自分の牧場で発生してしまった時の「張りつめていた緊張の糸がとけた。」とか、「変な安堵感」という言葉が胸に残った朗読劇になりました。
(2)講演「何が起こったのか、そしてどうすればいいのか」
この講演は、本年2月、高病原性鳥インフルエンザが発生した南勢養鶏の萩原社長様の生の体験を聞かせていただいたものです。
萩原さんは、「畜産仲間の勉強材料になるのなら喜んで」という気持ちで、去る6月3日の三重県養鶏協会の総会の席でもお話をいただきました。
南勢養鶏は、平成20年度の「全国優良畜産経営管理技術発表会」で、その優れた経営管理や生産技術が認められ、最優秀賞を受賞した経営です。現地調査に訪れた審査委員も、「防疫意識が高く危機管理体制がしっかりしている。」という評価を下した経営です。
そんな高度な農場であったにも関わらず、高病原性鳥インフルエンザが侵入してきました。
講演では、次のような実情が語られました。
■万が一のことを想定して、会社としての対応マニュアルがあった。
■たまたま、発生1週間ほど前に社内の対策会議を開いていた。
■異常鶏を発見後、早期に行政に連絡を取った。これが、後々、経営を救った。
■お客様に鶏卵を届け続けられるように、飼料会社を中心として、鶏卵を融通しあえる体制を作っていた。
■移動制限区域外に、営業所、倉庫となりうる建物を借り受けられるように手配してあった。
■通報が早かったため、行政、マスコミ、消費者、周辺住民等の目は温かかった。
■従業員への給与、取引先への支払いが滞らないように、資金調達にもJA等の協力が得られた。
このような状況の中で、行政関係者や自衛隊等の昼夜を問わない処理作業のお陰もあって、早期に終息宣言を迎えることができ、今まさに、従業員が一丸となって経営の立て直しに取り組んでいるという力強いお話を聞かせていただきました。
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