平成23年度全国畜産縦断いきいきネットワーク大会
平成23年10月26日(水曜日)東京中野サンプラザにて |
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この日、東京では木枯らし1号が吹きました。
前日までは、ちょっと動くと汗をかくような陽気でしたが、この日は気圧配置が変わって冬の訪れを予感させるようなお天気になりました。
三重県内の全国いきいき会員、サン・カラット会員を乗せた「のぞみ220号」は、11時43分、東京駅へ到着。いざ、会場へ!「みんな、ちゃんと、ついてきてね~」(・・・事務局のお願い)
今年の大会には、朗読劇への出演という役割もあって三重県からは7名が出席しました。 |
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佐藤会長は、開会に当たり「会の発足を振り返るとBSE発生がきっかけであった。昨年度の口蹄疫発生から高病原性鳥インフルエンザ、東日本大震災、飼料価格の高騰、販売価格の低迷等畜産を取り巻く情勢は相変わらず厳しいままだが、苦しい状況の中で、仲間同士で連絡を取り合い、励まし合えたことは我々の財産でもある。」と、挨拶しました。
来賓として出席した中央畜産会菱沼副会長からは、「全国いきいきネットの会員数は発足当時に比べると減少しているが、20の県で1,000人余の女性たちが組織として活動していることは、この組織(全国いきいきネット)の成果である。」と祝辞をいただきました。 |
 寸劇「兄弟カラスの応援団」
カァ~カァ~
3羽のカラスがどこからか飛んできました。
原発事故が原因で、住み慣れた土地から離れざるを得なくなった夫婦に出会いました。「なんでこんなことになったんだろう」「いつの日にか、ここへ戻ってこられるのだろうか」そんな不安を胸にこの土地を去ろうとしている夫婦に「悔しいだろうなぁ、でも、また、頑張れば・・・」と、カラスの兄弟はエールを送りました。
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講演
演題「食品と放射能Q&A」
消費者庁佐藤政策企画専門官から放射能についての基礎的な知識や食品に関係する規制値、安全性等について講演がありました。「なんとなく不安!」では、正しい対処はできません。正しい情報を知っておくことが大切です。
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意見交換会
福島県の肉用牛経営のお二人から、東日本大震災後の自分たちの経験についてお話がありました。
お二人のお話の要旨を紹介します。
避難所暮らしは、やはり心身ともに疲労感を覚え、精神的にはウツ状態に陥ったり、病気になる人も多くみられます。着の身着のままで原発に近い我が家から逃げ出し、その後は避難所を転々と移動。現在、他県で生活していますが、課題は山積。何とか、ここで、農業とか畜産業に就きたいと願うものの、福島の(原発の)被災者というだけで土地を借りようとしても断られる始末。
風評被害に立ち向かい復興に向けて牛の共励会を開き、福島の畜産のPR活動もやってみました。原発事故の影響で放牧もできず、稲ワラも確保できない状況です。
お二人の話を聞いた皆さんからは異口同音に激励の言葉が贈られました。
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朗読劇「今でも浮かぶ牛たちの顔」
この朗読劇は、昨年度の全国いきいきネット大会の席で聞いたKさんのお話が原点になっています。Kさんは、宮崎県で口蹄疫の被害にあわれた方です。サン・カラットのメンバーがなんとか聞いたお話を三重県の会員に伝えなければという使命感にも似た気持ちで、朗読劇に仕立て上げました。そして、今年のサン・カラット総会でも県内の会員に披露しました。
さらに、「今回の大会でも!」ということで、上京前に集まって練習にも臨みました。
発生した口蹄疫の前では、不安がつのるのみ、そして個人の努力も空しくついに感染。全頭殺処分という最悪の日を迎えたものの、どん底からなんとか這い上がっていこうとするKさんの家族を真摯に演じさせてもらいました。
朗読する自分をその役柄に重ねてしまい、朗読している仲間の中からは、いつの間にか、すすり泣くような声がもれていました。
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2分間スピーチ
さぁ、胸に秘めているいろいろな思い、短い時間だけど濃縮して、いざTRY!2分間スピーチ。
サン・カラット会員のHさんは、この大会へも初参加。もちろん、2分間スピーチも初参加。「7年ほど前に父から配合飼料の特約店を社長として引き継ぎました。畜産は男性中心の色が強く、どうすればいいのかと思っていたところ、サン・カラットの発足を知り参加させてもらいました。この大会への参加は初めてで、会員の皆さんが励ましあう姿や行政に本音で向かえる場であることを知りました。ぜひ来年も続けて参加したい。」と、感想を発表しました。
他にはこんな発表もありました、よ。
■風評被害に落ち込んだが、この会の仲間から電話をもらったことが嬉しかった。
■娘の就農がトップニュースであり、3.11の震災が最悪のニュースとなった。
■震災で失っている土地へ、帰れるのか帰れないのかを、政府からはっきり聞きたい。そのうえで、覚悟を決めたい。
■口蹄疫禍に遭われた人に改めてお悔やみ申し上げるとともに、他への被災を最小限に止めてもらったことに心から感謝。
■保育士だった私は、結婚後、簡単な作業を手伝う内にいつの間にか就農していた。9人家族の生活である。多忙な中、この大会に参加させてもらったことを感謝している。
■TPP絶対反対。
■口蹄疫禍に遭遇したが、建物も残り、畑も使え、家畜が戻ってきたことに感謝しなければならない。
■酪農経営です。牧場を利用して婚活の場を提供しました。
■畜産にとって、大変な事件が立て続けに起きている。厳しい状況ではあるが、食を生み出す畜産業の仕事に改めて意欲と喜びを感じている。
■普段の生活は、男性中心。この場で女性のパワーをもらった感じがする。 |
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大会終了後の懇親会では、他県の皆さんとの再会に話が弾んだり、ご主人への愚痴(本音は感謝、愛情)で、にぎやかなひと時を過ごしました。 |
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