久居農林高等学校にて出前授業を開催しました!
 
 令和6年1月19日(金)、三重県立久居農林高等学校において出前授業を開催しました!

 久居農林高等学校は、農業学科(生物生産科、生物資源科、環境情報科、環境土木科)と家庭学科(生活デザイン科)を有する専門高校として、「質実剛健」と「夢と感動の実現」を合言葉に、生徒の可能性を引き出すための少人数教育を実践し、地域社会を担う将来のスペシャリストの育成に取り組まれています。また、「生物」「環境」「生活」の情報発信基地として地域に貢献されています。

 受講されたのは、生物資源科2年生の皆さん。命の大切さを基本とし、ペットから畜産まで幅広い動物のスペシャリストを目指し、学習されています。

 講師にはサン・カラット会員の生産者3名、県職員1名、農協職員1名の計5名をお招きし、ご自身の畜産経営や勤務先でのお仕事内容、特色ある取り組みなどについてお話していただきました。
 
三重県農林水産部
  畜産課 宮崎さん

 三重の畜産の現状や三重ブランドについてご説明いただきました。
 特に力を入れてお話されていたのが「エサの値段」についてです。採卵鶏農家の具体的な例を上げ、どれだけ値上がりしているかや、エサの価格高騰が卵の値段上昇の原因にもなっている事などを説明され、「積極的に畜産物を食べてもらいたい」と畜産農家の窮状も伝えていました。
    
有限会社小林ファーム
  小林さん(養豚経営)

 豚の飼育過程や農場、豚肉が食卓に届くまでなどをお話しいただきました。
 年間9,000頭を出荷する内、チャンピオン豚に選ばれるのは約13%というお話でしたが、毎日豚を見ているからこそ、成長段階から見定める事ができるのですね。冷めてもおいしさもやわらかさも変わらないチャンピオンポーク、ぜひ味わってみたいです。
    
高橋牧場
  高橋さん(酪農経営)

 牧場での1日の流れなどについてお話しいただきました。
 搾乳以外にも、稲や牧草作り、人工授精、子牛のお世話など作業が多岐にわたっている事に、生徒さん達は驚かれたのではないでしょうか。
 常に牛の様子をよく観察して、異変を見逃さないようにしているというお話は、高橋さんの牛への愛情が伝わってきました。 
 
 
株式会社三重加藤牧場
  加藤さん(肉用牛肥育経営)

 全国でもめずらしい、繁殖肥育一貫経営についてお話しいただきました。3年生で牛の飼育管理をする予定の生徒さん達にとって、とても参考になったのではと思います。
 「粗飼料」となる稲わらなどを周辺農家から回収し、独自に生成した堆肥をそこへ散布するという地域に密着した資源循環のシステムはSDGsの観点からも注目すべき取組ですね。
   
JA全農みえ畜産部
  南出さん

 JA全農の畜産事業についてお話しいただきました。
 職員の皆さんが「生産者の持続的な営農の支援」と「消費者に安全で新鮮な三重県産畜産物を届ける」という大きな目標を持っている事や、南出さんご自身の仕事対するやりがいと面白みを教えてくださいました。「畜産って最高にかっこいい!」という言葉から、誇りをもってお仕事をされているのが伝わってきました。
  
 今回の出前授業は、畜産農家の仕事や牧場についての動画も生徒さん達にご覧いただきました。話や資料だけでなく、動画で現場や働いている姿を見る事で、より内容が伝わったのではないかと思います。

 講義終了後の質疑応答は、生徒さんが個々で気になった事や質問などを講師の元へ聞きに行き、その場で回答していただくというスタイルをとりました。普段なかなか接する機会のない者同士、貴重な場となりました。

 次回、相可高校での出前授業が今年度最後の授業となります。畜産業のおもしろさ、やりがいなど、しっかり伝えたいと思います!
   
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