■松阪牛と普通の牛では、食べているエサの内容が大きく異なります。 |
|
普通の牛…粗飼料(いわゆる草):濃厚飼料(いわゆるご飯)=6:4~4:6 |
(ちなみに、牛は草食動物ですので草のみでも問題ありません) |
松阪牛…粗飼料(いわゆる草):濃厚飼料(いわゆるご飯)=3:7~2:8 |
肥育期間
約20ヶ月 |
前半(~11ヶ月)…3:7
後半(12~20ヶ月)…2:8 |
|
松阪牛が食べているエサの粗飼料と濃厚飼料の割合は、ルーメン(4つ胃がある牛の第一胃のこと)内のpHが下がる事によっておこる消化障害の『ルーメンアシドーシス』を起こしてもおかしくない割合です。人間で例えると胃酸過多の状態に近いですが、そうならないのは肥育農家の優れた技術によるものなのです。 ではなぜそのような飼い方をするのでしょうか? |
|
■松阪牛が食べている粗飼料と濃厚飼料について詳しくみていきましょう。 |
肥育期間の粗飼料は、特に肥育の後半は稲わらのみを給与します。
一般的な粗飼料ではビタミンAがたくさん含まれており、ビタミンAが多いと肉色が濃くなったり、肉の脂肪の入り方が雑になりやすいといわれています。
ビタミンAを制御することにより、よりきめ細やかな脂肪が肉中に入り、柔らかでうまみのある良質の肉に仕上がるとされています。
稲わらにはビタミンAがほとんど含まれておらず、この期間の最適飼料となっています。粗飼料の割合が少ない状況でも体調が維持されるのは、稲わらであるからこそ可能となる特質を持っているのかもわかりません。 |