■なぜ松阪牛おいしいのか?ちゃんと理由があるんです!
  
 松阪牛のおいしさは、「はしで切れる」とか「舌の上でとろける」とか表現されたりします。
 肉の間に細かく脂肪が入った肉を「霜降り肉」といいますが、細かく脂肪が入ることで、「はしで切れる」ほど柔らかい肉となっています。
 また、融点が低い良質な脂肪となっており、「舌の上でとろける」ような口どけの肉質となります。
 
「はしで切れる」 両方とも
雄牛の血統の
影響が大きい
霜降り肉(肉の間に細かく脂肪が入った肉)
「舌の上でとろける」
   良質な脂肪(融点が低い脂肪)
 
 いい素牛を見分けるのも松阪牛農家の技術!
   
 日本の和牛の9割は黒毛和種が占めていますが、下図は黒毛和種の系統図の早見表です。
 人間でいうといわゆる家系図です。
 この図からは、現在大きくは3つの血統(但馬系(兵庫系)、藤良系(糸桜系)、気高系)の流れがあることがわかります。
  
  
  
 
  
  
  
  
 
 

 
 体が小さいものの、肉質が優れているという兵庫系の中から、鳥取の「気高」を祖先とする発育が良い「気高系」、岡山の「第6藤良」を祖先とする発育が良く、ロース心面積の大きい「藤良系」に派生しており、これらは現在、黒毛和種の3大血統といわれています。 

 肉の柔らかさは、脂肪中の不飽和脂肪酸の割合が関係するといわれており、その割合が高いほど、融点が低く、常温でも溶け出すような脂肪となり、より柔らかい肉となります。

 兵庫系は、特に不飽和脂肪酸の割合が高く、より柔らかい肉質といえます。

肉の脂肪は、主に飽和脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸)および不飽和脂肪酸(ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸)等の脂肪酸が含まれています。
 
不飽和脂肪酸割合は「やわらかさ」と密接な関連 
     
     
 
    
 下図は、脂肪酸の中身をより詳細に分析したものです。
 上記で示したように、兵庫系は他の2系統に比較し、不飽和脂肪酸の割合が高いことがわかります。また、肉のおいしさに関わる脂肪酸とされている「オレイン酸」の量は同等です。
 ですので、兵庫系の肉はよりおいしい肉であるといえます。
 
 兵庫系は他の系統より不飽和率が高い
おいしいと言われる「オレイン酸」は差がない
 
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